こんにちは。ぴよぞおです!
今日は、記憶に残すための最強の勉強法について解説します!
学んだことをすぐ忘れてしまう!という方や、効率の良い勉強法を知りたい方必見です!
最強の勉強法とは?
ずばり結論から発表します。
最強の勉強法とは、【人に教える】 題してTeaching学習法です!
Teaching学習法は、
- 何かを学ぶ(どのように教えるか考えながら)
- 誰かに教える
という超単純明快な2ステップで構成されます。
ちなみに、Teaching学習法では第1ステップの「どのように教えるか考えながら」の部分がとても重要なのですが、詳細な解説の前に、Teaching学習法の位置づけについて考えたいと思います。興味がなければ読み飛ばしていただいて構いません。
勉強法とは?
一般に世の中にある「勉強法」と呼ばれるものは、
- 「構造」を変化させる
- 「思考」を変化させる
の大きく2つに分類できます。
ここでは、上記の2つをそれぞれ構造変化学習法、思考変化学習法と呼び、詳しく考えていきましょう。
構造変化学習法
構造変化学習法は、勉強を行うタイミング・場所・時間などの構造を変化させることで、効率的に学習を進める方法です。
例えば、朝に社会科などの暗記中心の科目を、夜に数学などの論理的思考を要する科目を勉強する方法がこれに該当します。この勉強法は[タイミング]という視点から構造を変化させています。
また、25分間作業に集中し、5分間の休憩を挟むというポモドーロテクニックも、構造変化勉強法の一例です。これは、[勉強時間]を構造変化させる方法です。
勉強への取り組み方を大幅に変化させるため、正しく使いこなした時の効果が高いのが特徴です。一方で、習慣化するのに労力が必要であったり、学校や塾の授業のように構造を変化させることが困難な状況に直面したりする場合があります。
思考変化学習法
それに対し、「思考」を変化させる学習法は、学習時間中の思考を変化させることで効率的に学習を進める方法です。
例えば、授業中の板書は素早くメモする程度に留め、先生の話を聞くことに集中するといった方法が思考変化学習法です。板書を一生懸命写そうが、先生の話に集中しようが、はたまたボーッとしていようが、勉強のタイミング・場所・時間などの構造は変化せず、変わるのは学習者の意識だけです。
この方法は、学習者が意識を変化させるだけで実践が可能であり、手軽に取り組める利点があります。しかし、正しいマインドで学習に取り組む必要があり、効果を最大限に発揮するためには、コツが必要な点に注意が必要です。
Teaching学習法
【人に教える】となぜ良いのか
自分が学習した内容・身に付けたい内容を人に教えるのは、なぜ良いのでしょうか?最大の利点は、以下の2つの点でしょう。
- 能力が高まる
- 自分を客観視できる
①能力が高まる
人に何かを教えるためには、ただ勉強をするより高いレベルの能力が求められます。特に重要となるのが、以下の3つの能力です。
- 高い視座
人に分かりやすく教えるためには、どこが重要で必ず抑えなければいけないポイントなのかを把握しなければいけません。また、教えられる人とは問題を見る視点が大きく異なります。
例えば、数学の問題を前にしたとき、問題をどう解くかと同時に、なぜその解法を選択するのかというより高い視点から問題を考えます。塾講師や教師などの教えることに慣れている人は、高い視座で重要ポイントを意識的に探し、説得力のある論理を構築することができます。
その習慣のない人でも、Teaching学習法を使い、分かりやすい説明を追及する過程で、物事の本質を追求する能力が育まれます。
- 罠の把握
教えるのが上手い人に共通しているのは、学習者が理解しづらい部分や陥りがちな間違いを把握しているという点です。
例えば、先ほどの数学の例ならば、忘れやすい公式や計算ミスしやすい部分などを知っておくことが罠の把握です。これを把握することで、理解を阻害する要因を先回りして潰すことができます。また、罠を明確に把握しているため、自分がその罠に引っ掛かりミスすることが無くなります。
- プレゼンテーション能力
多くの勉強の最終目的は、試験・プレゼン・業務での実践などの何らかの形でアウトプットをすることです。このとき必ずしも口頭でのプレゼンテーションが求められるわけではありませんが、人に教える経験をすることで考えを整理し、論理の整合性の高めることは、筆記試験などにも役立ちます。
このように、教える立場に立つことで、教えられる立場では必要とされなかったレベルの高い能力が磨かれ、数段レベルの高い理解をすることができます。
②自分を客観視できる
学習において、避けなければならないのが「分かったつもり」になることです。実は、恐ろしいことに「分かったつもりになる」現象(自分の能力が高いと思い込む現象)は、能力の低い人ほど起こりやすいことが心理学の世界で明らかにされています。(ダニング=クルーガー効果)
つまり、自分を客観視することで能力を正当に評価し、明らかになった弱点に対して補強を行う作業が必要不可欠となります。そして、この「分かったつもりになる」現象をTeaching学習法は以下の2つのパターンで避けることができます。
- 文章化することで自ら気づきを得る
学習内容に対する理解度が不十分な時、頭の中では重要なキーワードやトピック間の関連性が不明瞭で一貫した論理が存在しない状態となっています。これは、勉強した内容が脳内に箇条書きでバラバラに保存されたような状態です。箇条書きは簡便な方法ですが、考えを整理し論理的整合性を作るのには不向きです。
人に教える際に、学習内容を文章化することで理解できていなかったポイントに気づくことができます。実際にTeaching学習法を実践してみると、説明の最中に「なぜここでは、この解法なんだっけ?」「この方法ではいけないのかな?」と思うことが頻繁にあります。
この気づきをもとに、更なる学習を行うことで、理解不足だった弱点部分を補強することが可能です。逆に、スラスラと説明ができた部分は理解ができている証拠であり、復習の必要はありません。つまり、復習ポイントが明確になります。
- 説明相手からの質問・リアクションで気付かされる
初学者は、経験者が失ってしまいがちな「独自の視点=なぜと感じる力」を持っています。そのため、繰り返し学習した人間には気づきようのない根本的かつ本質を突いた鋭い質問をされることがあります。
そのような質問を通し、学習内容に対する「なぜ」を追求することで理解が深まります。また、誰でも分かるような基本的な質問であっても、上で説明した「罠の把握」に繋がるため、貴重な情報源となります。
おまけの効果
- 人のためになる
分からないことを教えてあげると、非常に喜ばれます。
- 復習になる
塾講師は、同じ内容を別の生徒に毎年繰り返し教えます。最終的には、録音したかのように全く同じ授業を行うことができるようになります。これは途轍もない程の復習を行っているのと同じであり、説明すること自体が復習をしているのと同等、もしくはそれ以上の効果があることを証明していますね。
Teaching学習法の実践ではここに気を付けろ!
Teaching学習法の実践に当たって意識しておいた方がよいことは3つです。
①どう教えるか考えながら勉強する
Teaching学習法の前段階として、教える内容を勉強するインプットフェーズがあります。このインプットフェーズでは、誰に・どのように説明するのかを意識しながら勉強しましょう。誰に教えるかによって、どのレベルまで噛み砕き、どの部分を重点的に教えるかが変わります。このとき、自分よりも知識量が少ない低い人に対し、丁寧に説明することを想定すると良いでしょう。
教えることを前提に学ぶことで、視点が変化し、Teaching学習法の効果を最大化できます。
②批判・質問を想定する
相手からの質問は、新たな気づきに繋がることはすでに説明しました。その気づきの質・量を高めるためには、教える前に批判・質問を想定することが有効です。常に第三者的目線で自分の説明を評価することで、「分かったつもり」になることを避けることができます。
また、想定質問を考える上で意識しておきたいのが、引っ掛かりポイントをチェックしておくことです。頭が良くなればなるほど、自分が初めて学習したときの気持ちを忘れがちです。人に分かりやすく教える上では、自分が初めて勉強をしたときにどう感じたのか・どこで理解ができず躓いたのかをしっかりと記録しておき、質問に対応できるよう準備しておきましょう。
③授業をしている様子を動画撮影できると最高
ここまでに繰り返し述べていますが、主観性を排除し自分を客観的に見ることは非常に重要です。そして、客観視するための究極の方法が「自分の様子を動画撮影する」です。動画撮影されたあなたの姿は、他人が見ているあなたの真の姿であり、改善のポイントを見つける直接的かつ最大の材料です。実際に撮影をしてみると分かりますが、思っている以上に動画から感じることは多いはずです。例えば、
- 話すスピードが早い/遅い
- 笑顔がない
- 説明が単調でつまらない
- 自信がなさそう
- へらへらしていて信頼感に欠ける
- 「えー」「あー」などの間を埋める言葉が多く、聞きづらい
- 声が思っていたより低い/高い
- 目線が泳いでいる
などなど・・・。このような癖は、誰もがほぼ100%の確率で1つ以上持ち合わせている上、自分では気づくことが極めて困難です。また、伝えている内容がどんなに素晴らしくても、全てを台無しにしてしまうこともあるくらい、インパクトの強いものです。ぜひ動画撮影をすることで、自分を客観的に見つめる機会を作ってみてください!
とはいっても、どうしても動画撮影は恥ずかしい・撮影ができる環境にないなどの理由で実現が難しいこともあると思います。その場合には、ボイスレコーダーなどで音声だけでも聞いてみるといいでしょう。最近はスマートフォンなどで簡単に録音ができると思いますので、ぜひ実践してみてください。
教えるのはハードルが高いと感じる人へ
Teaching学習法が良いことは分かったが、人に教えるのはどうしてもハードルが高いと感じる人もいると思います。実際、他人を巻き込む必要があるため、ためらってしまう気持ちは理解できます。
そこで、構造変化学習法の1つであるTeaching学習法に対して、思考変化学習法の要素を取り入れることで、より簡単に実践できる方法を提案します。Teaching学習法が実践できる人も、併用してもらえると良いと思います。
簡単に実践する方法は、「頭の中で架空の生徒に教えるシミュレーションをする」です。脳内でシミュレーションをするだけでも、Teaching学習法の効果を享受することが可能です。実際に教えるときと同じように、
- どのように教えるか考えながら勉強する
- 架空の生徒に授業する
というステップで進めてください。架空の生徒に教えるときには、声に出して授業することが望ましいです。全てを脳内で完結させてしまうと、理解が不十分な部分もあやふやにしたまま先に進むことが可能になってしまします。声に出すことで、誤魔化しがきかない状態を作りましょう。一人の部屋でやってもらえばよいです。
また、注意してほしい点が1つだけあります。それは、架空の生徒では、相手からの質問がないという点です。そこで、先ほど取り上げた「批判・質問を想定する」ことを強く意識して重点的に行うと良いでしょう。
【塾講師の人向け】今すぐ使えるアクションプラン
最後に、塾講師向けに今すぐ使えるTeaching学習の実践方法です。
- 自分がTeaching学習法を実践してみる
- 授業内で生徒に説明させてみる
- 生徒同士で教え合わせる
自分がTeaching学習法を実践してみる
塾講師は嫌でもTeaching学習法を実践することになります。そこで、先ほど説明した実践において気を付けるべきこと3つを意識して取り組んでみてください。
授業内で生徒に説明させてみる
ある程度自分が上手く教えられ、生徒への質問に対応できるようになったら、生徒にもTeaching学習法を実践させていきます。とはいっても「Teaching学習法をやります!」と宣言する必要はありません。授業内で自分が説明したのと全く同じ内容を、教えた直後に生徒に説明させてください。「今、先生が説明した内容をもう一回説明してみて!」といった感じです。これにより、生徒の理解度が上がると同時に、理解できていないポイントが判明します。このとき、「○○って説明してたけど、××の場合はどうなるの?」「△△だとなぜその結論に繋がるの?」といった具合に、生徒の説明の穴を見つけ、その穴を突くような質問を投げかけることで、思考力・応用力が増すため効果的です。
また、この方法は生徒自身の頭で考えさせることに繋がるため、単調な授業を避ける副次的効果もあります。
生徒同士で教え合わせる
最後のステップは、生徒通しで教え合わせるです。これは、レベルが高い生徒同士でないと成立しないため注意が必要です。また、塾運営側にそのような指導法をしてもよいか念のため確認してから行いましょう。
生徒同士で教え合わせることで、教師役・生徒役をともに経験できます。教師役は、1つの問題を最初から教え切るため、上の「②授業内で生徒に説明させてみる」より効果が高くなります。生徒役には、相手の説明の穴を突く質問をさせるよう事前に伝えておくことで、問題を異なる角度から考察することができるようになります。
塾講師は第三者の立場で説明を聞き、生徒が気づかない穴を見つけたり、別問題との関連性や問題の本質を理解させるためのアドバイスを与えてください。また、生徒同士で解決しきれない疑問に全て対応する必要があります。ここが講師の腕の見せ所であり、「生徒同士で教え合わせる」が最終ステップになっている理由でもあります。通常の授業を通して十分に自分の実力を高めて望んでください。
まとめ
- Teaching学習法は、①能力が高まる ②客観視ができる という2つの理由で最強の学習法である。
- どう教えるか考えながら&批判・質問を想定しながら事前学習すると効果的。
- 実行ハードルの高さは 動画撮影しながら説明>音声のみ録音して説明>録音録画なしで説明>一人で口に出して説明>心の中で説明 の順。
自分に合った方法を選択しましょう。 - 塾講師は 自分が実践→生徒と自分で実践→生徒同士で実践 というステップがおすすめ。